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第11号

「総括」は未だ出ず                 西畠 良平 総てを問い直すべく あらゆる色を塗り潰した 「ノンセクトラジカル」の旗を今も忘れない   公教育の「息苦しさ」を問い 制服や制帽、あらゆる学ぶ者の自由を束縛するモノに背を向け 高校の自治会さえ一次停止させた...

第10号

そこにいる               西畠 良平 漆黒の闇でありながら ドロドロと溶け落ちてゆくのが分かる いつまで どこまで 続くのか 果てしない夜   私たちはどこかへ向かうのではなく といってどこかへ留め置かれるのでもない 今にも崩れそうでいて...

第9号

古老の錦鯉     三嶋 善之 大統領は錦鯉を知らないらしく 渡された餌箱を ひっくり返し 一度に餌を撒いた   どうしますか 若い連中が集まって来た 仕方ないよ知らないんだから 俺たちだって ダチョウが相手なら梯子が欲しい アルマジロならどうする...

第8号

手 紙    三嶋 善之     元気ですか 朝 みずうみのまわりを歩いて 鳥の声を聞き 夕暮れに まわりの山の形を眺め 初めて訪れた町の 交差点の案内文字が欠けて 「たからまち」が 「からまち」に なっていても まったくかまわない 「鮭」の長い旅に感動している...

第7号

雨の朝         三嶋 善之 アメリカの中都市の食堂で カウボーイの友人と飯を食って アメリカは何回目だい 3年ごとにきているからな 数えきれない 友人は チップを日本円で払うと喜ぶよと 教えてくれた 息子の結婚式の日のようだった 息子は伝書鳩を飛ばし...

第6号

芥           西畠 良平                              これまで積んで来た多くのモノを ただ掘り出して撫で回しては 数え上げるようになったら それは 忘れられ朽ち果てていく 過去のモノでしかない 老いるということは そういうこと...

第5号

「つつ」                 土師 尽 向かいの建物が壊されて道路になった すると森田の花火の打ち上げが見通せるようになった 啓開 遠く光が届く 遠く音が来る   九頭竜川の支流に遊びに行くと、そこは村人の子どもたちで賑わっていた...

第4号

死すには若かりし               西畠 良平 七夕が過ぎた週の早朝 珍しく携帯の充電が落ちていた 朝食時に気がついて充電を終え 出掛けると 関西にいる次兄から入電 「いいタイミング」と思ったが 電話口の兄の言葉に返す言葉を失った  ...

第3号

The House of the Riging Sun 西畠 良平 Eマイナーで始まる アメリカ女郎屋の哀しいメロディーが 一日の始まりでも 毎日変わらない つまらない 日課を積み上げる 毎日変わらない 平凡な 仕事に向かう 見上げる空には...

第2号

どどんどどんと  西畠良平 グラウンド     (卒業に寄せて)  土師 尽 正月の理由  三嶋善之 どどんどどんと 西畠良平 はじめに大地と水が在り 水が集まり 滔々と流れる川のほとりに 人とひとが出会って江を形づくる やがて暮らすための家や商いのための店を...

第二次「螺旋」創刊号目次

断固たる決意をもって   西畠良平 この世界         土師 尽 長い夢          三嶋善之 断固たる決意をもって      西畠 良平   二十世紀の《母達》はどこにいるのか。寂しい所、歩いたもの...

ブックレビュー etc...

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